生きづらい状態で子育てしているあなたへ。「子どものこころが出来上がる仕組み」 | 子育て感情セラピー|カウンセリングオフィストリフォリ
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生きづらい状態で子育てしているあなたへ。「子どものこころが出来上がる仕組み」

生きづらい状態で子育てしているあなたへ。「子どものこころが出来上がる仕組み」

 

こんにちは。アダルトチルドレン支援の心理カウンセラー高澤です。

 

世にはたくさんの子育てに関する情報があります。

ノウハウ本、ネット情報、セミナーなど多岐にわたります。

 

ですが、ときに情報同士が正反対のことを示していることも少なくないようです。

そんなとき私たちは何を指針にすればいいのでしょうか。

 

ということで今回は子どものこころが育っていく仕組みをお伝えします。

ここを土台に子育てを考えるとよりよい関わりかたのヒントが得られると思います。

 

 

子どもの心の育ちの仕組み図

下の図は親御さん向けや支援者向けの講演でときどき使っているものです。

子どもの心の育ちの大枠を理解してもらいたくて作った略図みたいなものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仕組みの図の説明

<素因>

オギャーと生まれた時点で子どもはその子らしさ(性質)をもっています。

生まれつき内向的な子もいれば、社交的な子もいます。

穏やかな子もいれば、活発な子もいます。その性質が「素因」です。

これはこころの育ちにダイレクトに影響を与えます。

 

 

<環境因>

その子どもに親(養育者)がどのようにかかわるかも大きく影響します。

訴えに適切に応答できる養育者のもとで育った子どもと、応答しない、あるいは応答がズレている養育者のもとで育った子では、育ちにそれなりの違いが出るでしょう。

 

 

<相互作用>

上記の「素因」と「環境因」の相互作用によって子どものこころは育っていきます。

したがって育ちは素因だけ、環境因だけ、では決まりません。

両者の相互作用によって結果は変わります。

 

 

<社会的な影響>

子どもは親以外のコミュニティからも影響を受けます。

きょうだい、親族、地域、幼稚園・保育園、学校…。

どこで、誰と、どんなふうに過ごすかによって相応の影響を受けます。

 

たとえば家庭では虐げられていても、保育園の先生から情緒的に接してもらったことで愛着が形成されることもあります。(“縁”って実はとても大切なのです)

 

 

<文化的な影響>

生まれ育った国、地域などにも少なからず影響を受けます。

私は福岡と熊本で支援活動をおこなっていますが、福岡の都市部で受ける家族相談と、熊本の山間部で受ける相談にはかなり価値観に違いがあります。

その違いは子育てにも相応の影響を与えます。

 

 

<子どもの本質的な欲求(ニーズ)>

ここでいう「ニーズ」とは一般的な「ほしい」を意味する欲求ではなく、無いと困る「必須」のものを指しています。衣食住や医療は生きていくためには必須ですが、子どもはそれだけでは生きていけません。

 

①安全の欲求

身体や生命を脅かす危険・脅威が訪れたとき、身を守るために脳が「闘うか逃げるか」反応を起動してくれます。そのお陰で私たちは安全を取り戻すことができ、ひいては生命を維持することができます。

一方で、生命や身体を脅かす脅威に直面し、それに何の対処もできないとき、それはトラウマ体験と化す可能性があります(そこに「脅威を排除できなかった恥」がくっついていれば尚更です)。

「安全でいたい」。これが私たちの最大のニーズです。

 

②所属(つながり)の欲求

安全が確保されただけでは人間は生きていけません。哺乳類である人間が生命を維持し、種を保っていくには「群れ(仲間、パートナー)」の存在が必須です。私たちはつながりがあって初めて安心して生きていくことができる生き物なのです。

だからこそ私たちは人からの批判・拒絶・嫌悪・侮辱などを恐れます。これらはいずれも「群れからの排斥」を予見させる社会的脅威です。これも本能的な恐れです。

 

③自尊(自己肯定)の欲求

自己肯定とは、自分に欠点や弱点や欠陥があっても、それでもその自分を慈しむことができる状態です。これができると「ありのままの自分」で安定して生きていくことができます。

この状態は「○○がある自分は優れている」などといった条件付きの肯定とは大きく異なるものです。

しかし私たち人間はほかの哺乳類と違い、「良・悪」「正・否」「優・劣」などといった「判断(ジャッジ)」という機能を持っています。この機能が「肯定」と「評価」を混同させます。

人は自分を無条件で肯定(尊重)できればパワーを発揮できますが、自分を「悪い・おかしい・劣っている」などとジャッジしてしまえば、とたん機能不全に陥ります。

 

 

<本質的ニーズがほどほどに満たされたら>

*「危険がない」「守られている」という安全な感じがする

*自分を嫌う人がいても「でも私は受け入れてもらえる」と感じる

*人から批判されても自分に慈悲的に接することができる

…といった生きやすさが根付きます。

あたかも心の中に「理想的な両親」が住んでいるかのごとき状態です。

 

 

<本質的ニーズがうまく満たされないと>

・今ここが安全であっても脅威を感じて警戒モードで構える

・相手が素を晒してくれても拒絶や嫌悪を恐れて相手に迎合あるいは回避

・周りが認めてくれても自分はたいした存在ではないと卑下

 

…といった生きにくさを繰り返し発動させる地雷を抱える可能性があります。

 

 

 

子育てへの活かしかた

さきほど本質的なニーズが“そこそこ”(これ、とても大事!)に満たされた状態を示しましたが、私はここを子育ての目的(到達点)と捉えています。

わが子がこの状態に到達できることを支援することが、私たち親の仕事だと考えています。

ここをゴールに据えると、「子育てで何をすればいい?」はマニュアル本がなくても意外と答えは浮かんできます。

 

それは次のような自問自答によって達成可能です。

 

Q)「わが子が『わたし/ぼくはきずつけられない。こわいものからまもられている』と感じられるようになるために、親の私はどうかかわるといいだろう?」

 

Q)「わが子が『わたし/ぼくはうけいれてもらえる。ひつようとされる』と感じられるようになるために、親の私にできることは何だろう?」

 

Q)「わが子が『わたし/ぼくはかんぺきじゃないけど、それでもこのじぶんでOK』と感じられるようになるために、私が親としてすべきことは何だろう?」

 

 

この問いから生まれた答えであれば、大きく的を外すことはないと思っています。

もちろん秘策にはならないかもしれませんが、この問いを使ってトライアンドエラーを繰り返すことで、子どものニーズを“そこそこ”満たせる可能性はグッと上がるのではないでしょうか。

 

私も目下子育て真っ最中。

一緒に“そこそこ”目指してまいりましょう^^

 

 

 

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