「しんどい」「つらい」「もう無理…」。心がいっぱいいっぱいのときにできる自分助け | 子育て感情セラピー|カウンセリングオフィストリフォリ
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「しんどい」「つらい」「もう無理…」。心がいっぱいいっぱいのときにできる自分助け

「しんどい」「つらい」「もう無理…」。心がいっぱいいっぱいのときにできる自分助け

「しんどい」「つらい」「もう無理…」。心がいっぱいいっぱいの時にできる自分助け

【記事を書いた人】
カウンセリングオフィス トリフォリ 高澤信也
福岡で子育てと生きづらさ克服をお手伝いしています。
公認心理師。

 

 

 

しんどい自分を助ける4つのステップ

エネルギーがそれなりに残っていれば

なんとか出来る自分助けの努力ですが、

 

「しんどい」

「つらい」

「もう無理かも…」

 

何かを頑張るなんて余裕はとうてい持てなくて、

こんなふうにいっぱいいっぱいになることって

生きていればありますよね。

 

 

なんともつらい瞬間です。

 

 

私たちはいっぱいいっぱいになってしまうと、

身の回りの全てが問題だらけみたいに思えたり、

何をどうしても改善しないんじゃないか…なんて

諦めの気持ちに心を占められたり。

 

 

そんなふうにしか感じられなくなることも

あると思います。

(ちなみに昨日の私が若干それでしたし 汗)

 

 

でも大丈夫です。

そんなときでも私たちはその苦しみから

自分を助け出すことができますよ。

 

 

今回は心がいっぱいいっぱいでつらいときでも

自分を助けられる4つのステップをご紹介します。

 

 

①心がつらくなっている(ストレスを感じている)ことに気づく

②自分の中で何が起こっているのかを紙に書き出して整理する

③つながり(サポート資源)の力を借りて自分を落ち着かせる(別名、協働調整)

④ストレス対処法を使って自力で自分を落ち着かせる(別名、自己調整)

 

 

それでは一つずつ解説していきますね。

 

 

 

ステップ1:心がつらくなっていることに気づく

自分は今「つらい」と感じていることに

気づくことが何をさておいても最優先です。

 

 

にもかかわらず多くの人たちが

「たいしたことない。まだ大丈夫」

「世の中にはもっと大変な人もいる」

「〇〇さんに比べたら自分なんて…」

などと考えては心のつらさを「無いこと」扱いして

自分助けを後回しにしています。

 

 

心がつらい状態とは言うなれば

心がケガ

をしている状態です。

 

 

心のケガも身体のケガと同じです。

 

 

手当てしてあげればすぐに治ることも、

放っておいたせいで気づかないうちに

悪化して大ごとになってしまった…

なんてことも珍しくありません。

 

 

つらいのは誰でもない自分自身なのですから、

わざわざ人と比べてお尻を叩いたり、

「これくらいで」と無理する必要はありません。

 

 

そんなことを続けていれば

待っている結果は燃え尽きだけです。

 

 

それってあまりにも不幸な結末ですよね。

 

 

「つらいものはつらい」

 

 

それを認めて初めて私たちは

「対処」というステップに進むことができます。

 

 

自分のつらさに1秒でも早く気づいてあげましょう。

ときには声に出して「つらい…」と言ってあげましょう。

自分助けはまずはそこからで十分です。

 

 

 

ステップ2:つらさの仕組みを客観的に整理する

自分のつらさに気づいたら、

自分の心が「どんな仕組み」によって

つらくなっているかを整理しましょう。

 

 

我が身に起きていることが何なのかが

わからないままでは対処のしようがないですよね。

 

 

そこで、自分のつらさをはっきりさせるべく

次のことを紙に書き出しましょう。

 

①ストレスになっている出来事・状況

②そのときのしんどさのバロメータ(1~10)

 

 

たとえば子育て中のミホさん(仮名)の場合、、、

⚫︎ずっとワンオペ育児。夫は「子育ては母親の仕事」と言い切る(10)

●同僚のタロウさんがいつもぶっきらぼうのしかめっ面(7)

●通りすがりの人と目が合うだけで緊張して怖くなる(9)

⚫︎小学生の娘が全然言うことを聞いてくれない(8)

 

 

こんな感じで自分が「つらい…」などと

感じる出来事をリストアップできたら、

もうひと踏ん張りして次の要素を紙に

書き出していきましょう。

 

 

①ストレスの引き金になった出来事

②そのとき自分が感じた気持ち(感情)

③そのとき自分のからだに起こった反応

④そのとき自分の頭をよぎった心のつぶやきやイメージ(考え)

⑤その結果として自分がしたこと、あるいはしなかったけど「こうしたかった」衝動

 

 

さっきのミホさんの「ワンオペ育児」の例を使うと、、、

 

⚫︎出来事(いつ、どこ、誰、何)

昨晩リビングで何もせずゴロゴロしてる夫に

「子ども泣きよるやん!あやしてあげて」と言ったら、

「それ、俺の仕事やないけん」と言って自室に篭った。

 

⚫︎感情

怒り(強さはMAXの10)

 

⚫︎身体反応

・頭がカーッと熱くなった

・胸が締め付けられた

・心臓がドキドキなった

・息が荒くなった(止めてたかも)

・拳を握りしめて震えていた

 

⚫︎思考(認知と言います)

・「こいつマジでムカつく」

・「なんでこんな奴と結婚したんだろう」

・「なんで私ばっかりこんな目に!」

・「お前も家族なんだから協力しろ!」

 

⚫︎行動(もしくは衝動)

それ以上何を言っても聞かないと思って

何も言わなかったけど、心の中では本当は

「ふざけんな!」って言って一発グーで

殴ってやりたかった。(衝動ですね)

 

 

これは架空のミホさんの例ですが、

悲しいかな実際は結構あるあるの事例なんです。

 

 

ところで、こんなことわざわざ書き出せば

絶対に怒り爆発!となりそうな気がしますが、

実際は予想とは反対に気持ちが落ち着いていきます。

 

 

紙に書き出して客観視することによって

整理がつくので落ち着ける、という仕組みです。

 

 

*ポイント*

このステップで特に大切なのは

自分の気持ち(感情)に気づくことです。

 

頭をよぎる思考に惑わされて感情を抑えたり

取り違えたりしないように注意しましょう。

 

 

 

ステップ3:サポート資源とつながる

ステップ2で自分のつらさの整理が

できるようになったところで、

いよいよ自分助けのステップです。

 

 

ところで、私たち人間は

「人の中」でつらくなることが多いものですが、

一番の癒しが得られるのも同じく「人の中」です。

 

 

そこでこのステップでは

人というサポート資源

とつながることを目指していきましょう!

 

 

ここでいうサポート資源とは

安心して自分の思いや気持ちを出せる場

くらいの理解で十分です。

 

 

それをゲットしていきましょう!

 

 

 

 

と言いたいのはやまやまですが、

人に自分のつらさを打ち明けたり、

悩みを相談したり、SOSを出す相手は

誰でもいいというわけにはいきません。

 

 

自分の「つらい」「しんどい」を開く以上、

相手が「信頼できるかどうか」、言いかえれば

「自分が自分でいられる安全基地であるかどうか」

は決して外せないポイントです。

 

 

安全基地と呼べる相手(居場所)には

この4つの要素がたいてい備わっているものです。

 

①対等性

②誠実さ

③率直さ

④相互尊重

 

 

具体例を挙げればこんな感じです。

 

・否定、批判をせずにつらい気持ちを理解してくれる

・考えや気持ちを「良い・悪い」「正しい・間違っている」などとジャッジせずに受け止めてくれる

・打ち明けた秘密を守ってくれる

・「あなたのため」などといって価値観を押し付けてこない

・言いにくいことでも必要なことなら言ってくれる

(例えば自分で気づいていない欠点の指摘)

・あなたの問題の肩代わりをしない(*)

・誰でも言えるような安易な助言をしない(例:「風邪でつらい」→「病院行けば?」)

・自分のミスに気づいたら謝ってくれる

etc.

 

 

中でも大切なものは、あなたの

・「こう思った」という考えや

・「こう感じた」という気持ちを

否定も批判もジャッジもすることなく

そのまま受け入れてくれること。

 

 

そんな人がいたらすごく助かりますよね。

それを見つけていきたいところです。

 

 

ただし、ここで決して外してはいけない

大切なポイントがあります。

上述の(*)の部分です。

 

 

それを少し解説していきますね。

 

 

私たちが苦しくなったときに

力を借りたいサポート資源とは

自分の苦しみを理解してくれる人

のことです。

 

 

「自分の苦しみを分かってくれる人がいる」

これが私たちに力を与えてくれます。

 

 

しかしここには落とし穴も潜んでいます。

 

 

サポートを求める側も求められる側も

落っこちやすい落とし穴です。

 

 

サポートを求める側のあなたへ

サポート資源になってくれる人とは

自分の心の苦しみを取り除いてくれる人

ではありません

 

その苦しみを取り除くために

やるべきことをやる人間は

ほかの誰でもない自分自身です。

 

この前提を外してしまうと、

その関係はサポート関係ではなく

依存・被依存関係に堕しかねません。

 

この関係にハマってしまうと

そこにかかわるすべての人間が苦を負い、

誰も助からないという結末を招きます。

 

支援と依存は別物であることを

知っておくことはとても大切です。

 

 

サポートを求められる側のあなたへ

目の前の人が苦しんでいるからと

「かわいそう」「何とかしてあげなきゃ」

となって問題を肩代わりしないでください。

 

解決への取り組みは本人が為すべきこと。

 

そこを肩代わりする行為は一見優しいですが

それはサポートではありません。

 

きつい言い方になりますが、それは

本人の自助力が育つチャンスの妨害

になってしまいます。

 

本人の大変さとつらさを理解しつつ、

本人がすべきことは本人に任せて

あげてください。

 

これは子育てでも全く同じことです。

 

「今ここ」で自分は、、、

・何を思っているの?

・何を感じているの?

・どうしたいの?

・どう判断したらいい?

・どう動いたらいい?

 

自分のなかで熟成すべきこういったことを

親や大人から肩代わりをされた子どもは、

「自分のことを自分で!」という大切な

自律心・自立心を育むことができません。

 

反対に子どもの依存心を強めることを

親は手助けしているようなものです。

 

気持ちや大変さを理解しつつも

本人がすべきことを肩代わりしない。

 

つらいですが

この一点を意識してみてください。

 

これをタフラブと呼びます。

 

子育て中の親はもとより、

サポート資源となる側の人間には

このタフラブが何より大切なのです。

 

 

 

 

さて、ここまで述べたようなサポート資源は

すぐには見つからないかもしれません。

 

 

でもあきらめずに探し求めていきましょう。

 

 

人となりがわかっている身近な人が望ましいですが、

そんな人が近くにいないなら、支援者などの専門家、

行政の相談窓口などの力も借りてみましょう。

 

・・・

 

つながりについてもう少し

違う角度からも考えてみましょう。

 

 

つながりが得られなくてつらかった人ほど

安全基地候補と出会ったときには100%の

受容・共感を求めがちです。

 

 

自分のすべてを理解し、受容し、共感し、

「欲しい言葉」だけを言ってくれる、

そんな100%の愛情を向けてくれる人。

 

 

いつでもどこでもどんなときでも

自分の期待に100%応えてくれる

完全無欠の理解者。

 

 

しかし残念ながら

そんな相手(居場所)はどこにもいません。

 

 

相手には相手の事情があり、

価値観があり、感情があるからです。

 

 

自分と一体化してくれる聖母みたいな他者は

存在しないことも覚えておく必要があります。

 

 

だからこそ工夫が必要です。

 

 

100%の安全基地ひとつに頼るよりも、

50をふたつ、30を3つ、20を5つ、

あるいは50をひとつに10を5つ、、、

なんて工夫ができるとトータルで100の

安全基地に匹敵しますよね。

 

 

この「質より量作戦」も併せて

活用してみてはいかがでしょうか。

 

 

 

ステップ4:自力でストレスに対処する

ここでようやくセルフケアの登場です。

自分で心のつらさに対処するステップです。

 

 

普段自分で活用している方法があれば

まずはそれを真っ先に使っていきましょう。

 

 

たとえば、、、

・好きな音楽を聴く

・ストレッチをする

・アロマをたく

・自然に触れる

・YouTubeを見ながらヨガをする

・静かな場所を散策する

・神社に行ってお参りする

・おふろにゆっくりつかる

・誰もいない部屋で「いやだーーー!」と大声で叫んでみる

・お気に入りのクッションを抱きしめる

・嫌いな人の顔を思い浮かべて心の中で悪口を言ってみる

などなど

 

 

自分助けの大原則の基本のきは

①心のつらさ(ストレス)が小さいうちに素早く気づく

②その場でできる自分助け(セルフケア)を即座に実践

の二点セットです。

 

 

だけど、今日の冒頭でも書いたように、

余裕をなくしていっぱいいっぱいになると、

普段ならできるなんてことすらできない…

なんて意外と日常茶飯事ではないでしょうか。

 

 

そんなときは別の手立てが必要ですね。

 

 

そこで今回はシンプルだけど超パワフルな

次の4つの方法を試してみてください。

 

 

どれも心理療法に根差したものですから、

続けるほどに効果を実感できると思いますよ。

 

 

①グラウンディング

しんどいけど、とりあえず立ち上がりましょう。

 

そして両足を肩幅に開いて、地面(家なら床)に

支えられている足の裏の感覚を感じとりましょう。

 

そのとき自分が一番楽なリズムで

深い呼吸をつづけましょう。

 

もしからだのどこかに力が入っていると

気づいたらその部分を緩めてあげましょう。

 

昂った交感神経の覚醒が徐々に

落ち着いていくのを感じられると思いますよ。

 

 

②ブリージング(呼吸法)

自分の心地よいリズムで

ゆったり深呼吸をしばらくつづけます。

 

お勧めは鼻から吸って口から細く吐く。

先のグラウンディングの姿勢を併用してもOKです。

 

呼吸で膨らんだり凹んだりするおなかに

意識を向けましょう。

 

途中でほぼ間違いなく考えに意識が逸れて

しまいますが、気づいたらまたゆっくりと

おなかに意識を戻す。

 

そしてまたゆったり呼吸をつづける、

で大丈夫です。

 

このエクササイズはしょっちゅう頭の中に

浮かんでくる「嫌な考え」を手離す練習にもなりますよ。

 

 

③セルフタッチング

両腕をクロスして自分を優しくハグしたり、

両腕や両足(もも)をやさしくさすったり。

 

あるいは心のつらさを特に強く感じている

からだの箇所にやさしく手を当てたりトントンしたり。

 

これはあかちゃんがおかあさんから

抱っこされてトントンされるのと

同じ効果が得られるパワフルな自分助けです。

×

注意:しかし中には自分で自分に触れると

嫌な感じが湧いてくる方もいますので、

そんなときはクッションやぬいぐるみを

代わりに抱っこしてみてもいいですね。

 

 

④筋弛緩法

心がつらい・しんどいのなかでも特に

イライラ(怒り)、不安、焦りといった感情を

感じているとき、大抵はその手前の時点で

筋肉の緊張(交感神経の覚醒)が起こっています。

 

神経が昂る→筋肉が緊張する→心がこわばる

…といった連鎖が起こっています。

 

そんなときは筋肉の緊張を緩めることが

心を落ち着かせる助けになります。

 

そこで、いつでもどこでもできる

簡単な筋肉の緊張を緩める方法をお伝えします。

 

ⅰ)顔の筋肉をめいっぱい緊張させたまま5秒ほどキープ

(ひょっとこのお面みたいなイメージです)

ⅱ)その後いっきに緊張をゆるめて10秒ほど緩んだ感じを味わう

ⅲ)上記のⅰ)とⅱ)を2~3回繰り返す

ⅳ)顔が終わったら両肩、両腕、手のひら…とⅰ)からⅲ)を繰り返す

 

 

心のつらさを直接緩めることは難しくても、

からだが緩めば自然と心も緩むようにできています。

 

 

筋肉を傷めている人は難しいですが、

そこが大丈夫でしたら毎日1回でも2回でも

やってみるといいと思いますよ。

 

 

 

最後に

今回は心のつらいときに

自分を助けるステップをお届けしました。

 

 

ここでお伝えしたものはできるなら

いっぱいいっぱいになる前に実践したいところです。

 

 

でも環境や状況によっては

それが難しいこともきっとあります。

 

 

だけどだからといって0か100かに

陥ってしまうと助かるものも助かりません。

 

 

「どうせやるならちゃんとやらなきゃ」は100。

「つらくて何もできない」は0。

 

 

大切なことは0でも100でもなく、

その日そのときの自分にできること

をやっていくこと。

 

 

自分助けを上達させるコツは

「つらい」から「何もしない」ではなく、

「つらい」からこそ「今日できることをする」

にシフトすること。

 

 

1週間後、1か月後、1年後、5年後、10年後の

自分をより良くしてあげられるのは

「今、ここ」を生きているあなた自身です。

 

 

「今日の私にできる小さなこと」

日々取り組んでいくだけでも、

現在の自分と未来の自分の双方を

助けてあげることができますよ。

 

 

つながりとセルフケアを通じて

心穏やかな時間と日々の生きやすさが

あなたに訪れることを心から祈っています。

 

 

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