なぜ受容や共感が悩みを悪化させてしまうのか? | 子育て感情セラピー|カウンセリングオフィストリフォリ
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なぜ受容や共感が悩みを悪化させてしまうのか?

なぜ受容や共感が悩みを悪化させてしまうのか?

 

以前カウンセラーのカウ子(仮名)さんから

「クライエントのクラ美(仮名)さんの

ケースで行き詰まって困っています…」

という相談を受けた時の事例です。

 

 

 

子育て中の母であるクラ美さんの訴えは

 

「子どもが言うこと聞いてくれないんです」

「夫も私の大変さを全然理解してくれません」

「母なんて毎週電話で1時間以上も愚痴を垂れます」

 

 

「なんで私ばっかりこんなつらい目に

遭わないといけないんでしょうか…」

 

 

 

確かに八方塞がりな感じがして

とてもしんどい様子が伝わってきます。

 

 

 

ではどうすればクラ美さんは

この苦境から脱することできるでしょうか?

 

カウ子さんの対応

ちなみにカウンセラーのカウ子さんは

クラ美さんの窮状に理解・共感するという

王道の対応をなさっていました。

 

 

 

その甲斐あってかクラ美さんは

カウ子さんにこんな思いを抱きました。

 

「先生だけがわかってくれる!」

「もっと聴いてほしい!」

 

 

 

それをカウ子さんはより一層

受容的、共感的に聴いていました。

 

 

 

まさに傾聴の真骨頂!

うまくいかないはずがない!!

 

 

 

と思いきや、

実際の結果は行き詰まり。。。

 

 

 

しかも音を上げたのはクラ美さんではなく、

支援者のカウ子さんのほうでした。

 

 

 

一体何が問題だったのでしょうか?

 

 

 

それ、誰の課題ですか?

何が行きづまりを招いたのか。

 

 

それは

 

 

 

 

 

 

お互いが自分の課題に

気づいていなかった

 

 

 

ここで言う課題とは、

自分が担うべき役割や責任のこと。

小学校でいえば「係」のこと。

 

 

 

カウ子さんはクラ美さんに感情移入するあまり、

「あなたは悪くない!」

というメッセージを暗に発し続けていました。

 

 

 

その結果クラ美さんは

「私は悪くない」

と信じた。

 

 

 

同時に

「悪いのは周り」

とも信じた。

 

 

 

その結果

「私は悪くない」

「だから変わるべきは周り」

が確信に変わった。

 

 

 

その結果なにが起こったか。

 

 

 

クラ美さんは周りを変えることに

エネルギーを注ぎ続け、

自分を変えることは何もしなかった。

 

 

 

そしてクラ美さんは

周りが変わってくれない嘆き

をカウ子さんに訴え続けた。

 

 

 

その嘆きに心痛めたカウ子さんは

さらに「あなたは悪くない」

というメッセージで強化し続けた。

 

 

 

それを土台にクラ美さんは

「やっぱり悪いのは周り!」

と恨みの感情を強めた。

 

 

 

当然のことですが、

そもそも人は変えられません。

 

 

 

だからずっと苦しみが消えない。

 

 

 

そんなシンプルな仕組みが

そこにありました。

 

 

 

カウ子さんは懸命に

クラ美さんの味方であろうとした。

 

 

 

しかし自分が担当すべき

●クラ美さんが自分と向き合うお手伝い

というをまっとうしていなかった。

 

 

 

その関わりがこの悪循環を

助長してしまったとも言えます。

 

 

 

クラ美さんは苦しんでいた。

 

 

 

しかし「私は悪くない」を拠り所にして

本来自分で担当すべき

●自分で自分を助ける

というをまっとうしていなかった。

 

 

 

だから苦しみが減らなかった。

 

 

 

とても不幸な悪循環です。

 

 

 

「悪くはない」けど「原因はある」

ということは、

カウ子さんもクラ美さんも

「悪い」のでしょうか?

 

 

 

そんなことはないですよね。

 

 

 

だけど、この相談という「交流」の中で

互いが自分の担うべき係を担わなかった。

 

 

 

その結果が

カウ子さんは行き詰まりに苦しむ。

クラ美さんは楽になれずに苦しむ。

 

 

 

実はそれだけのことでした。

 

 

 

例えばあなたがレストランの食事で

ひどい腹痛に見舞われたとしたら、

どんな対処をしますか?

 

 

A)「自分は悪くない」のだから、

その場でレストラン側にクレームを入れ、

相手が非を認めるまで痛みを我慢する

 

 

B)犯人探しはさておき、

まずは自分で病院に行って治療を受ける

 

 

 

ある人はAを選んだとします。

 

 

この方には

「痛みを抱えた原因」

は微塵もありません。

 

 

 

だから

「悪くない」

のは当然のことです。

 

 

 

だけど激しい痛みがあるのに

病院へ行くという

「自分にできること」をしていない

 

 

 

したがって

痛みが続いている原因は本人自身

にあります。

 

 

 

「悪くはないけど、原因はある」

とはそういうことです。

 

 

 

どうすれば行き詰まりを防げたか?

もしカウ子さんがクラ美さんに

こう問いかけていたらどうなったでしょうか?

 

 

 

もちろんつらさに共感した上で、、、

 

「周りは変えられないけど自分は変えられます」

 

「周りが変わらないままであっても、

あなたがどう変われば自分を楽にできますか?」

 

 

 

それがあればクラ美さんは

*「私はどうなりたいんだろう?」

*「そのために自分にできることって?」

と問うことができたかもしれません。

 

 

 

するとカウ子さんも

それを手伝うという「係」を

まっとうできたはず。

 

 

 

でもそれをしなかった

カウ子さんとクラ美さん。

 

 

 

きつい言い方になりますが、

お二人は二人三脚で苦しみの維持に

努めていたことになります。

 

 

 

問題解決のファーストステップ

多くの場合、

「解決法さえあれば問題は解決できる!」

と思われがちです。

 

 

 

しかし実はこれ、

思い込みなんです。

 

 

 

そもそも何がどうなって

現状を招いているのか?

 

 

 

それがわからなければ

解決法を見出すことができません。

 

 

 

今回の事例でわかることは、

苦しむきっかけの原因は自分になくても、

それがずっと続いたり繰り返しているなら、

継続・反復の原因は自分の内側にあるということ。

 

 

 

「原因がある」イコール「悪い」

という捉え方が一般的かもしれません。

 

 

 

ですが真の意味は、

「原因がある」イコール

「その問題解決に取り組む担当者である」

なのです。

 

 

 

だから「良い」とか「悪い」は

実は何の関係もないんです。

 

 

 

「子どもが言うことを聞いてくれない」

「夫が理解してくれない」

「母が嫌なことをやめてくれない」

 

 

クラ美さんは何も悪くありません。

 

 

 

だけど現状が苦しいのなら、

間違いなくそれを和らげる

担当者は他ならぬ自分自身です。

 

 

 

受容共感をたくさんもらうと癒されますよね。

時にはそれが必要なことってきっとあります。

 

 

 

でもそれだけだとそこには

成長

がないんです。

 

 

 

そのままでは似たような苦しみが

時を変え、

場所を変え、、

相手を変え、、、

何度も繰り返し起こります。

 

 

 

だからこそ

「自分は何も悪くない」けど

「担当者だから」取り組む。

 

 

 

すると苦しみが昇華されるだけでなく、

心の苦しみ自体が減っていきますよ。

 

 

 

最後にこの自問自答を贈ります。

 

「この悩み苦しみを解決するにあたり、

私が担当すべき係はなんだろう?」

 

 

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