こんにちは。毒親卒業トレーニングブログ管理者 兼 アダルトチャイルド支援カウンセラーの高澤です。
今年の4月より3ヶ月プログラムとして「AC回復ベーシックプログラム」(寺子屋型)を開講予定ですが、そのテスト版の初回を明後日に迎えることになりました。
現時点ではプログラムの詳細まで詰めてはいませんので、受講生の方々とディスカッションしながら内容とテキストを精緻化していく予定です。
本日ようやく初回のたたき台となる資料を作ってみました。
折角ですのでその一部をブログでもシェアしたいと思います。
目次
ACが解決すべき課題とは
アダルトチルドレン当事者が抱えている「生きづらさ」という言葉は、本人にとっては実感を伴っているものですが、それは周りの人間に伝えようとすると、具体的に言い表すことが意外と難しいものでもあります。
ところで問題解決の第1ステップは
【現状認識】
と言われます。
これはAC回復も同様で、まずは現状の自分はどうなっているかを明らかにし、それを認識することが必要になります。
アダルトチルドレン当事者が抱える「生きづらさ」という漠然としたものを理解するうえでとても役立つものに
ランドリーリスト(ACの問題リスト)
というものがあります。
それはACにとっての
「解決すべき問題のリスト」
です。
しかしそれだけでなく
「生きづらさを理解するためのリスト」でもあり
「育ちで受けた影響のリスト」でもあります。
リストの内容をそのままご紹介したいのですが、著作権などの問題があるかと思いますので、ここではそのランドリーリストの内容に
⚫︎ACの特質(自助グループの小冊子に記載あるもの)
⚫︎相談者たちが教えてくれた生の訴え
などを織り交ぜ、それを咀嚼したものをリスト化してご紹介します。
注意点)
⚫︎掲載した内容が生きづらさを示す全ての要素ではなければ、ここに示したものが絶対的な正解というわけでもありません。
⚫︎このリストは自分を否定するためのものではなく、自分の生きづらさを整理し、理解するという「助けを得る」ためのツールです。
生きづらさを招いているACの課題リスト
□人を避ける、あるいは人といても自分の素や本音を隠すことで安全を確保しようとする
□権威者(年長者、上司、権力者等)を恐れ、萎縮する
□他者からの承認(評価)でしか自分の価値を計れなくなっている(その結果人生における判断や選択が自分軸ではなく他人軸になっている)
□承認欲求を満たすために他者の期待に過剰に応えようとする(その結果自分本来の欲求や感情がよくわからなくなっている)
□怒りを向けられること(攻撃、批判など)に対する怯えが強い
□感情的な動揺を自分でなだめられない(その結果「自分以外」でなだめようとする)
□「かわいそうな人」「弱い人」などケアを必要とする相手に強く惹きつけられる
□責任感が過剰で、他者の感情や課題にまで責任を持とうとする
□自分の欲求や感情を後回しにしても他者への配慮を優先する(その結果自分の欠点を見ずに済む)
□「傷ついている人」「苦しんでいる人」を救おうとし過剰にお世話する(それを「愛」と勘違いする)
□正当であっても自己主張することに罪悪感を覚える(人を傷つけること、迷惑をかけること、不快にすることに強い抵抗感がある)
□刺激を求める傾向が強い(何かしらの刺激がないと不安感や空虚感に襲われる)
□自分の気持ちや思いを表現せずに抑え込む(その分表現するときは激怒を伴いがち)
□自分を辛辣に批判する(したがって自己肯定感が低い)
□他者から見捨てられることを極度に恐れ、人から嫌われない(拒絶されない、疎外されない)ために過剰な努力をする(その結果依存心は強まり、燃え尽きのリスクを高めた)
□問題や困難に直面したときに理性的に対処できず、感情的に反応してしまう
リストを活かす3ステップ
このリストはある意味「問題(課題)」を示したリストですが、その項目の一つ一つの項目を掘り下げていくと、実は
*残しておいたほうが良い「部分」(パワー)
*解決したほうが望ましい「部分」(リスク)
の両方があることに気づきます。
たとえば困っている人を助けたいという思いは慈悲心ですから、人と繋がって生きていく上では大切な要素になります。
ただそのときに「自己犠牲的」になってしまうと燃え尽きるリスクが高まりますから、その自己犠牲的な「部分」だけは解決したほうが望ましいのではないでしょうか。
さて、ここで示したリストですが、AC当事者であればこの内容全てが当てはまるかといえば、そんな方もいますが、全ての方に当てはまるわけではありません。
人によって当てはまる項目、当てはまらない項目は異なるものです。
4月開講予定の3ヶ月プログラムでもこのリストを参考にして
①自分の生きづらさを理解する
②残したいものと変えたいものに仕分けする
③変えたいものを変えていく
ことに取り組んでいく予定です。
この記事を読んでくださっているあなたにも、このリストを「自分の欠点を知るためのリスト」ではなく、「苦しんでいる自分自身を理解してあげるためのリスト」として使っていただけることを願っています。