前回のブログでは
嫌われ恐怖のハナコさんの
エピソードを紹介しました。
ハナコさんは
かつての私の先輩。
「悩めるクライエントのため!」
と自己犠牲的に頑張っていた
カウンセラーさんでした。
ペーペーだった私には
その自己犠牲的なあり方こそ
支援者としてあるべき理想像に
見えていた当時。
あとあとそれは実は
カウンセラー側の課題であると
師匠から教わりました。
のちのち分かったのは
ハナコさんは
同僚や友人知人だけでなく、
クライエントからも
嫌われ、拒絶され、必要とされない
恐れに囚われていたということ。
「愛されること」
を必要とするクライエントと
「必要とされること」
を必要とするカウンセラー
この二者の組み合わせが
いわゆる「共依存」。
クライエント側も
カウンセラー側も共に
*他者からの肯定・承認
がないと自分を保てない
ニコイチ関係。
本来、
健康的ニコイチ関係は、
「乳幼児期の子ども」 と
「養育者」 の二者関係。
それを他者との関係で、
しかも大人になってまで
続けていればそれは不健康。
ハナコ先輩もこの課題が
未完了のまま大人になり、
その後カウンセラーになり、
そして燃え尽きた。
実はこれまでにも
同様の状態になって
カウンセラーをやめたり、
心を病んでしまった方も
周りにはおられました。
しかしハナコ先輩は
ここからが違いました。
「なぜ自分は
こんな状態になったのか?」
「これからはどのように
生きていきたいか?」
「そのために私が
やるべきことは何か?」
こういった探索を続け、
自分の課題に気づき、
「怖い!」
「逃げたい!」
という恐れと向き合いながら
自分の課題に取り組まれました。
改めてそのとき感じたんです。
確かに嫌われ恐怖は
引くレベル(汗)だったけど、
やっぱりこの先輩は人として
尊敬できるな~って。
で、その後ハナコさんは
どうなったかと言うと、、、
⚫︎「大切な人(パートナーや親友)
からは嫌われたくないよ」
↓
これ、自然なこと
⚫︎「だけどそれ以外の人から
嫌われるのはしょうがないよ」
↓
残念だけど決して自分には
変えられない真実と受容
⚫︎「クライエントが
私を嫌おうが嫌うまいが
私は自分の仕事を全うする!」
↓
勇気に基づく精神的自立です。
こんな感じになりましたよ。
嫌われ恐怖のハナコさんが
何をどうやってこうなったのか?
先輩が繰り返し
取り組んだのはこんなこと。
↓
↓
↓
①歪んだ認知(思考)を
修正するための認知行動療法
②不安定さを落ち着かせるための
ヨガと呼吸法
③恐怖心を消化するための
感情処理法
方法的にはこんなとこです。
ではこんな「方法」さえ
やれば楽になれるのか?
ハナコ先輩と同じように
回復できるのか?
実はそうではないんです!
実際のカウンセリングの
現場においても回復や成長を
左右するのは
「何をやるか?」
の行動(Doing)ではなく、
その100倍も1000倍も大切な、、、
・
・
・
\どうあるか!/
のあり方(Being)
ハナコ先輩は
ここがすごかった!
⚫︎相手が自分を嫌うか否かは
自分にはどうにもできないことと
徹底的に諦めた(受け入れた)
⚫︎嫌われる恐怖という感情を
逸らさず感じることを繰り返した
(自分から逃げなかった)
⚫︎自己探索してこの恐れは
幼少期から母親に感じていた
恐れに由来すると気づいて
徹底的にそこを掘り下げた
それより何より
こういったあり方に辿り着く前に
:
:
:
★「自分では解決できない!」
「誰かにどうにかしてほしい!」
という幼児的な甘えに気づき、
「これも私」と批判せず
勇気をもって諦め(受け入れ)、
上に書いたような
『今日の自分にできること』
に徹底して取り組んだ
私は今の仕事を
20年以上続けていますが、
ハナコ先輩から教わった
この「あり方」が今も変わらず
私を支えてくれています。
「あり方」の大切さを
教えてくれたのはハナコ先輩に留まらず、
この業界の第一人者や
重鎮の立ち位置におられる先生方も
ハナコさんと同じように
「何をやるか?」以上に
「どうあるか?」の大切さを
教えてくださいました。
人が悩みを抱え、
カウンセリングやセラピーを
利用するとき、
その支援を足掛かりに
成長を果たしていくか?
それともシブシーとなって
いろんな支援機関を彷徨うのか?
結局それを左右するのも
DoingではなくBeing。
人としてのあり方です。
☆自分の課題を責任転嫁せず
「私の課題」と引き受ける
☆「怖いから避ける」ではなく
「怖い”からこそ”取り組む」
☆うまくいかないからと
くさって簡単に投げ出さない
(欲求不満に耐える)
☆自分の人生に責任を持つ
ハナコ先輩が
超バージョンアップしたのは
この「あり方」がベースにあったから。
もちろん「やり方」が
わからないなら教わって
学ぶしかありません。
ハナコさんもそこは
徹底して教わっていました。
そこにも彼女のすごい
「あり方」があってですね、
教わったことを
「知ってる」「やったことある」
と自分の恣意で排除せずに
素直に愚直に実践。
効果が出ない時に
「この方法がよくない」
と方法に責任転嫁しない。
できないことを
「自分がダメだから」
と言い訳して逃げ出さない。
わからないことは
率直に尋ねる。
その上で
やり方を工夫して続ける。
心の底から
「この人!ほんとすげー!」
って尊敬でした。
でね、私たち親も
支援者と同じだと思うんです。
嫌われ恐怖に限らず、
自分が生きにくいならそこには必ず
*未完了の課題
があるというサイン。
そこから目を逸らしたり、
子どもや他の誰かのせいにしたり、
誰かに変えてほしいなどと依存せず
「私が私を助ける!」
と自分の課題を引き受けて
取り組んでいく。
それが自分をより良くしていく。
だから我が子へのかかわりも
自然とより良くなっていく。
助け方は人からもらえても、
それをどう使うかは自分次第。
ハナコ先輩が
回復以上の成長を果たした
最大で最強の原因は
/
私が私を助ける!
\
という腹くくりだと
私は確信しています。
まあ、本人も
そう言ってましたしね^^;
さてさて、
人生は一度きりです。
自分という
替えのきかない存在から
目を逸らすことなく、
ぜひ自分自身を
幸せにしてあげてください。
その第一歩が
「私が私を助ける!」
という決心です。
それがあって初めて
「そのために必要なことをやる!」
という覚悟も決まります。
怖いままでよいので、
ぜひ腹くくりをやってみてください。
「誰かがどうにかして!」
の依存心を断ち切り、
「自分で自分を助けていく!」
そこに腹をくくりさえすれば、
Hero’s journey(英雄の旅)
がきっとスタートしますから(^-^)v