「なぜ私はこんなに苦しいの?」自分の心を探索して苦しみの元を見つける方法 | 子育て感情セラピー|カウンセリングオフィストリフォリ
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「なぜ私はこんなに苦しいの?」自分の心を探索して苦しみの元を見つける方法

「なぜ私はこんなに苦しいの?」自分の心を探索して苦しみの元を見つける方法

「なぜ私はこんなに苦しいの?」自分の心を探索して苦しみの元を見つける方法

【記事を書いた人】

カウンセリングオフィス トリフォリ 高澤信也

福岡で子育てと生きづらさ克服をお手伝いしています。公認心理師。

 


 

おはようございます。

 

今日は

「苦しみの探索→発見→リセット」

の実例をご紹介します。

 

まさに今朝自分に起こったほっかほかの事例です。

 

 

「苦しい」を感じた出来事

昨日もいつものようにカウンセリングのお仕事。かなりの生きづらさで苦しんでいる方(仮にハルさんとします)のカウンセリングの日でした。

 

ハルさんとは何度もお会いしていて、自助努力によって変化した部分も決して少なくありません。来談前と比べるとその違いは比べ物にならないほどです。

 

でもその一方で、まだまだ人への恐怖心は残っていて、なんとか早く元気になってもらいたい、楽に人とつながってもらいたい…という強く願うも、まだそこには届いていないことになんとも苦しい気持ちを抱えていました。

 

 

 

場に合わない感情

しかしその私の苦しみ、どうやら本人の苦しみを越えている気がしてなりません。要は「場に合わない」「過剰な」感情的な反応なわけです。

 

境界線(バウンダリー)が機能していれば、こういった場で感じる感情は

⚫︎隣人愛に基づくほどよい心配

⚫︎人類愛に基づく「幸せになってほしい」というほどほどの願い

くらいで収まっているものです。

 

ここに「苦しい…」という感覚はない方が自然です。

 

しかし今朝の私は明らかに

「苦しい…」

と感じていました。

 

つまりその時点で

*自分の課題

確定なんですよね。

 

余談ですが、場に合わない、あるいは過剰な

⚫︎怒り

⚫︎不安

⚫︎恥(惨めさ)

⚫︎悲しみ(憐憫)

などといった感情は、ほとんどの場合自分自身の思考が作り出している「偽物の感情」です。

 

その感情の目的は、その奥にある「本物の感情」に触れることを妨げるため。ずっと見ないように心の奥底に隠してきたパンドラの箱を開けないため、と言うこともできます。

 

 

 

心の内側の探索

と言うことで今朝(しかも早朝5時頃から)布団の中でゴニョゴニョと箱開け作業をセルフで始めました。

 

とはいえもちろん安全第一。まずはしっかりと呼吸を整え、「今ここ」に意識を向け、自分を落ち着けるところからスタートです。

 

そのあとでハルさんとのやり取り後に感じた苦しみを探索するところから始めました。

 

Q)何を感じている?

A)「苦しい。とにかく苦しい感じ」

 

Q)その苦しみを体のどこでどんなふうに感じる?

A)「胸が詰まって息ができない。胃がギュッと締め付けられている。頭にも力が入っている。なんか酸っぱいというか、そんな感覚もある」

 

Q)ゆっくり呼吸しながらしばらくその感じを感じてみようか。

A)・・・深い呼吸をしながら身体感覚を感じ続ける・・・

 

(するとここでハルさんの苦しい表情と、子ども時代の苦しんでいる母親の表情がオーバーラップ)

 

Q)今何を感じている?

A)「悲しい。なんでかすごく悲しい」(落涙)

 

Q)何か頭に浮かんでる?

A)「お母さんが泣いている。苦しい、辛い、(父と)別れたいって言ってさめざめと泣いている。だから『別れていいよ。ぼくは大丈夫よ』って言ったけど、『お前がいるから別れられん』って言われてる」

 

Q)何を感じる?

A)「苦しい。息ができない。お母さんを助けなきゃ、どうにかしなきゃって思ってる。でもどうしたらいいかわからなくて苦しい」

 

Q)身体にフォーカスを向け直してゆっくりと呼吸しよう。

A)・・・身体感覚を感じながら深い呼吸・・・

 

Q)その当時のイメージに入ってみようか。

A)「うん」

 

Q)本当はどうしてほしい?

A)「笑い飛ばしてほしい。平気だよって言って、ガハハって笑ってほしい」

 

Q)その子を助けることはできる?

A)「うん。今近所の公園に連れて行ったとこ。一緒にシーソーに乗ってる。そこで伝えてあげてる。

「君のせいじゃないんだよ。どうにかできなくていいんだよ。君は知らないかもしれないけど、お母さんは仕事場ではいつも笑っていて、楽しく過ごしてるんだよ」

(子どもの自分はすごく驚いている)

 

「家では叩かれて泣いたり嘆いたりすることもあるけど、それでも出ていかないのは、君たちが大切だからなんだよ。子どもに愚痴を言うのは良くないとわかっているけど、君が話を聞いてあげてるから、お母さんは君の優しさにちょっと甘えてるだけなんだよ」

(もっと驚いている)

 

Q)その子に聞いてみて。ほんとうはどうしてほしい?って。

A)・・・聞いてみたらこんな答えが・・・

「いつもお母さんは仕事と家のことで忙しくて、遊んでくれたり、話を聞いてくれたりする時間がないと。でもほんとうは夕方になったら公園に迎えにきてほしい。いつも最後は自分だけ。誰も迎えに来てくれんと」

「ほんとは公園でお母さんと一緒にボール蹴りしたり、シーソーに乗ったり、学校の話を聞いてもらいたいと。頑張ってるねって褒めてもらいたいと。家まで手を繋いでニコニコして帰りたいと」

 

Q)それが欲しかったんだね。

A)「うん。でもね、お母さんはいつも家のことも仕事も頑張ってるし、それなのにお父さんから怒鳴られたり叩かれたりしてるから、迷惑かけたくないっちゃん。自分のことくらい我慢せないかんやん。だってわがまま言うたらもっと大変になるやん。お母さんをこれ以上苦しめたくないと。もっと笑わせてあげたいと。幸せになってもらいたいっちゃん…」

(ここで涙が溢れる)

 

Q)悲しかったね。そのまま、そのまま、泣いていいよ。

A)・・・しばらくさめざめと泣く・・・

 

しばらくすると落ち着いたので、、、

Q)じゃあ大人の自分が子どもの自分と一緒に遊んであげなよ。

A)「そうするよ」(そういってイメージの中でシーソーやボール蹴りをする)

 

Q)今その子はどんな顔してる?

A)「めっちゃ楽しそう!はしゃぎながらボール蹴ってるよ」

 

Q)それを見て何を感じる?

A)「あー、自分はもともとはこんなんだなって。すごく無邪気で、愛らしくて、まるで今の自分の息子そっくり!」

 

Q)その無邪気さを我慢して頑張って生きてきたんだね。

A)・・・言葉にならない。子ども時代の自分がただただ愛しい感覚・・・

 

Q)いまその子になんて言ってあげたい?

A)「いまこんなことを言ってる」

「君はただ人を笑わせてあげたいんだね。元気になってもらいたいんだね。すごく優しいね。えらいね。その気持ちはきっと他の誰かを元気にできるよ。

でもね、他の誰かが笑えなくても、元気にならなくても、それは君の責任ではないんだよ。だから自分を責めなくていいんだよ。それは覚えておいてね」

(イメージの中の子どもの自分は「うん!」と言いつつ、夢中でボール蹴りを楽しんでいる)

 

ここで「今、ここ」に戻って大きく深呼吸。

心の中の大きなつっかえが一つ取れた感覚になり、ここで自分の内側探索は終了。

 

 

 

ワークのあと

私が布団に潜って起きてこない異変を息子が察知し、妻を私の元に送りました。

 

あとで聞くと「お父ちゃんが大変そうやけん、行ってあげて」と言ってくれていたようです。

 

そのときの私は感情を止めることなく、そばに来てくれた妻に抱きついてしばらく泣き続けました。

 

私は自分でも気づいていませんでしたが、ずっと

「誰からも愛されない」

「世界中のどこに行っても歓迎されない」

という思い込みを持っていたんです。

 

それを子どもの頃から隠して頑張って生きていた自分に、これまで以上に慈しみを感じることができました。

 

今はお陰さまで、妻、息子、親友たちから、今の不完全で不十分で過ちを犯すこともある自分でも愛されていると感じられます。

 

 

 

さいごに

今回は私ごとをテーマにしましたので、脚色せずに極力内側で起こっていることをそのままお伝えしたつもりです。

 

読んでくださったあなたがどんな感想をお持ちになったかは分かりませんが、ご自分の回復の糧としていただければ嬉しい限りです。

 

支援者という責任ある立場をもらっているため、私は以前からこういったワークも自分で繰り返しやってきておりますが、自分を支える力もそれなりに必要ですし、感情にどっぷり浸かる力も必要ですので、結構大変なワークでもあります。

 

ですのでお勧めは信頼できる支援者と一緒に探索が良いかと思っています。

 

回復は「急いで」より「着実」が安全ですよ。

 

最後に、今更ではありますが、愛着の大切さをこれでもか!というほど痛感した今日でした。

 

 

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