生きづらさや人間関係のこじれを招きやすい【怒り】の処理の仕方
【記事を書いた人】
カウンセリングオフィス トリフォリ 高澤信也 福岡で子育てと生きづらさ克服をお手伝いしています。公認心理師。 |
おはようございます。カウンセリングオフィストリフォリの高澤です。
突然ですが、私たちが感じている「怒り」はほとんどが偽物だとご存知ですか?
全ての感情には目的がありますが、本物の怒りは、
*自分や自分の大切な人の生命や身体に向けられた脅威を排除するため
の感情です。
多くの人々が頻繁に怒りを感じるようですが、ではそのとき、生命や身体に対する脅威が存在するかというと、ほとんどの場合は存在しません。
ではどうして怒りが湧いてくる?
その処理はどうすればいいの?
今回はそれをお届けします。
本来の感情の処理の仕方
ということで早速怒りについて触れていきたいところですが、その前に感情について考えてみましょう。
人は喜びといったポジティブなものだけでなく、ネガティブな感情も感じます。
悲しみ、恐れ、寂しさ、嫌悪、恥など多岐にわたります。
ではこの感情はどうやったら処理できるか?
それは実はとてもシンプルな方法です。
その感情を
*身体のどこでどのように感じているか?
を観察するだけで良いのです。
感情処理の反対の努力
しかし私たちはこういった感情を感じているとき、身体に目を向けることなく、頭(思考)に意識を向けがちです。
ともすると
頭でグルグルと考えること
を続けがちではないでしょうか。
例えば
「なぜこんなことになったの?」
「なぜあの人はこんなことをしたの?」
「私の何が悪かったのか…」
などなど。
しかし思考の沼にハマればハマるほど、苦しみを伴った負の感情は強まったり増えたりするばかり。
ではテレビを見たり、考えなくていいように寝たり、ゲームをしたりして逸らせば良いかというと、それはその感情の処理自体は何もしていないので、感情の元となった体験を思い出すたび、繰り返しその感情が湧いて来てしまいますよね。
だからといって「ガマン!ガマン!」とやるとかえって怒り倍増になることは珍しくありませんし。
いずれにしてもつらいです。。。
感情処理は、できることならその場しのぎの対処よりも、本質的な対処をしていきたいものです。
繰り返すと、ストレスを感じていることに気づいた時は思考に意識を向けるのではなく、、、
★感情を身体のどこでどのように感じている?
を観察、探索、追跡していくこと。
慣れるまでは不快さを伴いますが、この処理法が馴染んでくると、ストレス対処は加速度的に楽になっていきますよ。
怒りの処理
では怒りもこの処理法でうまくいくかというと
・
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実はうまくいきません。残念…。
それどころかかえって「火に油」。むしろ身体の中で怒りの炎が燃えまくり。かえって苦しくなるばかりです。
ではいったいどうすれば良いのでしょうか。
それは、怒りの下に隠れている
*本物の感情に気づく
です。
冒頭で述べたように、怒りは生命や身体への脅威を排除するための感情です。
しかしほとんどの怒りの場面では、こんな脅威は存在していないものです。それが「偽物」と呼ばれる理由です。(正しくは二次感情と呼びます)
ではどうすれば怒りは処理できる?
それは次の流れです。
①自分の怒りに気づく
②その場を離れて深呼吸
・・・
それで少し落ち着いたら
・・・
③怒りの下に隠れている感情を探索する
④その感情を前述の方法(身体にフォーカス→観察)で処理する
怒りの下に隠れていることの多い感情は、例えばこういったものです。
⚫︎見捨てられ不安
⚫︎傷つけられる恐怖
⚫︎批判・否定に対する恥
⚫︎雑に扱われたことへの悲しみ
etc.
ここに気づくことができたら、原因分析したり、自分や相手の悪いところを探したりといった【思考】に意識を向けるのではなく
*その感情を身体のどこでどのように感じているか?
に意識を一点集中で向ければOKです。
その感情を観察し、探索し、追跡する。
これで感情は雲がすっと消えていくように解消されていきますよ。
ただし、繰り返しの練習は必要であることを付け加えておきますね。
さいごに
現代人は多くのことを思考で処理しようとしがちですが、ストレス対処としてはむしろ逆効果になることが少なくありません。
私たちがストレスで「つらい!」となっているときは、思考で苦しんでいるのではなく、感情で苦しんでいます。
感情とは身体で感じている反応の集合体です。
だからこそ思考にフォーカスを当てるのではなく、身体に意識を向け、それを消化していくことでストレス反応は和らいでいくのです。
ストレスに気づいたら
*意識は「頭」から「身体」へ
まずはこれ一つだけ知っておくだけでも十分ではないかと思います。
今日も良き日でありますように^^