自分を肯定できないあなたへ。自己肯定とは「自分とつながる」こと
【記事を書いた人】
カウンセリングオフィス トリフォリ 高澤信也 福岡で子育てと生きづらさ克服をお手伝いしています。公認心理師。 |
「自己肯定感が低いんです」という悩み
「自分はダメ人間」
「自信がない」
「自分が嫌い、好きになれない」
こういった悩みを抱え、
人の中で気楽に過ごせず困っている
という訴えは少なくありません。
かつては私もそんな状態でした。
人と比べては
「自分は劣っている」
「こんな自分じゃダメだ」
「変わらなきゃ」
と駆り立てられていました。
お陰でできることは増えたものの、
一方で、心の内側では見えない何かに
いつも追い立てられている…
そんな気分でとてもしんどかったです。
ではどうすればこういった苦しみは
解消されていくのでしょう。
その答えは
“つながり”
にありました。
しかしそれは友だちやパートナーなどの
人間関係を持てばよいといった表面的な
意味ではありません。
○自己欺瞞がなく
○対等で
○オープンで
○互いを尊重できる
そもそも何の下支えもない状態で
こういった「良い関係」を他者と
結ぶことはとても難しいものです。
その支え、土台となるものが
*“自分自身”とのつながり
でした。
それを少し詳しく説明するために、
まず正反対の
「自分とつながっていない」
状態を考えていきましょう。
「○○を“もっている”自分には価値がある」
持っている○○に入るものの例は、
他者から承認、評価、称賛されるような
・能力
・金銭
・容姿
・学歴
・地位
・所属する居場所
・希少・高価な物品
・・・
こういったものを
「持っている」
から自分には価値がある。
これが悪いわけではありませんが、
ここに頼りきりになってしまうと
失ったときに支えがなくなるため
持ちこたえられません。
「持っている」ときには胸を張れても
「失った」ときには支えきれない。
不安定な土台のひとつです。
「○○を“やっている”自分には価値がある」
やっている○○に入るものの例は、
人から評価、称賛、承認されるような
・偉業
・人助け
・「良い」振る舞い(例:笑顔、気遣い)
・専門的な仕事
・努力
・人のお世話
・・・
いずれも尊いものではありますが、
ここも頼りきりになってしまうと
やめたくてもやめることができません。
それを「やっている自分」にしか
価値を見出すことができなければ、
その行為や行動は自然体ではなく
“無理”や“フリ”
と化すこともあるのです。
ここも不安定な支えと言えるでしょう。
「私は私であっていい」
「○○をもっている私」
「○○をやっている私」
これらがいずれも悪いというわけではなく、
自分自身という“存在”や“命”の「外側」に
頼りきりになったとき、その土台が非常に
不安定なものになってしまうのです。
自分を下支えしてくれる土台は
できることならもっと盤石で堅牢な
ものに変えていきたいものです。
それが
「私はこの私であっていい」
「ありのままの自分でいい」
という
*自己受容
自己受容とは、
自分らしさというカラーを持っている
替えのきかない自分自身を受け容れること。
・持っているもの
・やっていること
という尺度で見れば確かに
どんな人間も大抵は替えがきくものです。
世俗的な価値観にしたがって
・持っているもの
・やっていること
をジャッジ(評価、判断)すれば、
そこには「優劣」「正否」といった
尺度も生まれることでしょう。
しかし
*自分自身という存在
はほかの誰とも替えがききません。
そこには優劣も正否もありません。
私たちは
“存在”に関しては唯一無二なのです。
その替えのきかない自分という存在を
そのままに受け容れること。
その上でクセや特徴といった
「自分らしさ」に気づくこと。
そしてその「らしさ」が
どうすれば活かせるかを考え
実際に活かしていくこと。
ここを土台にできたとき、
自分が価値を感じられる
*やっていくこと
を見出せるのではないでしょうか。
そしてその「やっていること」を通して
*自分が持っているもの
が結果として現れてくるのでしょう。
まずは不完全で不十分な自分を
受け容れることから始めてみませんか?
昔よく言われていた
「ダメな子ほどかわいい」
を自分に向けてあげるのです。
余談ですが、
うちの子は社会的に承認・称賛される
すごい何かをもってもいなければ、
やっているわけでもありません。
「困ったちゃん」と感じることもしばしば。
でもそれでもやっぱり
そのままで「愛しいわが子」
なのです。
生まれてきてくれただけで
生きていてくれるだけで
それだけでたくさんの幸せを
もらっています。
自分自身にその気持ちを向けられたなら、
「らしさ」のパワー
が間違になく発揮されると思います。
どうか欠点や弱点のある自分を
大切に扱ってあげてください。
替えのきかない自分の命を、存在を、魂を
痛ましめることをなさらないでください。
あなたの
悩み苦しみがなくなることを
幸せが訪れることを
ここから祈っています。