「自分が嫌い」は自己肯定感のテーマ。この苦しみから解放される瞬間
| 【記事を書いた人】
カウンセリングオフィス トリフォリ 高澤信也 福岡で子育てと生きづらさ克服をお手伝いしています。公認心理師。 |
生きづらさを招く中核的なものの一つに
「自分が嫌い」「好きになれない」
といったものがあります。
自分自身との不仲は
自己肯定感の低さ
がテーマと言ってよいかもしれません。
死ぬまで切り離せない自分との不和。
苦しくないはずがないですね。
私もかつてはここで長らく苦しみました。
それがこの呪縛から解放される瞬間は
不思議と突然起こることが多いのです。
今日もあるクライエントさんの
この瞬間に立ち会うことができました。
仮にこの方を花さんと呼ぶことにします。
花さんはずっと
「私がダメだから」
「変わらなきゃ」
「子どもに同じ苦しみを与えそうで怖い」
と信じ込んでは苦しんできました。
それが今回
「私は大変な環境で生きていたんだ！」
「私がダメなわけではなかったんだ！」
「そもそも変わらなくて良かったんだ！」
「このままの自分で良かったんだ！」
こういったことが思考だけでなく、
心の深い部分に「腑に落ちる」体験として、
そして深い感情体験を伴って突然起こったのです。
この瞬間を目の当たりにするたび
驚きすぎて圧倒されるばかりです。
ではこの瞬間的な解放は
どんな風に起こったのでしょうか？
それはこんな感じでした。
①子ども時代の苦しい体験をありありと感じた
↓
②自分が思っていたよりも遥かに大きかった
子ども時代の自分の苦しみを体感（再体験）した
↓
③その結果「これからは自分を大切にしたい！」
という魂の叫びとも言える自分への慈悲心が湧いてきた
できることなら昔のつらい記憶を
わざわざ思い出したくはないものです。
でも花さんみたいなことって度々起こるんです。
今の苦しみが過去の苦しみと結びつき、
そこで深い感情体験が起こり、
そして自分への愛おしさが湧き出す。
それだけでなく、
＊自分を内側から慈しんでくれる存在
＊自分を外側から護ってくれる存在
が心の中に不思議と現れてくる。
まるで理想の両親が心の中に
住み始めたような瞬間です。
この段階に到達することができると
生きづらさは一気に和らぎます。
「もうこれで大丈夫！」
という感覚が出てくることもあります。
なんとも言えない素敵な感覚です。
ですが、この瞬間は何もせずに
突然現れるわけではありません。
花さんがこの結末を引き寄せたには
それなりの理由があったのです。
＊責任転嫁せず自分と向き合い
＊セルフケアを日々実践し
＊世代間連鎖を切るという覚悟を持ち
＊自分の感情から決して逃げず
＊やるべきことには素直に取り組む
こんなことを続けてこられたのです。
それがある日実を結び
今回のような結果を引き寄せたわけです。
お釈迦様の教えの中に
因果の道理
というものがあります。
⚫︎善因善果
良い種をまけば良い果実が実る
⚫︎悪因悪果
悪い種をまけば悪い果実が実る
⚫︎自因自果
つまり自分がまいた種が結果として実る
花子さんが良い結果を実らせたのは
良い種を諦めずにまき続けていたからでした。
自分が望む果実（結果）を実らせたいなら、
それを実らせることができる種をまくこと。
これは作物だけでなく
私たちの人生も同様なのですね。
どうかご自分の人生をより良くするために
良い種をたくさんまいてあげてください。
