こんにちは。アダルトチルドレン支援の心理カウンセラー高澤です。
昨日(2019/11/29)は福岡県の事業「ふくおか子育てマイスター」の認定を受け、子育て支援をなさっている方々向けの研修を担当してきました。
この事業は60歳以上の方が子育て支援の研修を受け、認定を受けたのち、保育園で保育士のサポート、子育て支援機関での活動、企業内保育、子育てで困っている親御さんのサポートなど、広く子育て支援を担ってもらうことを目的とした福岡県の事業です。
私はその認定講師もやっておりまして、昨日はすでに認定を受けられている方々(すでに子育て支援をなさっている方多々)向けのフォローアップ研修でした。
研修についてのこと、子育てのこと、支援のこと、、、など、今日は研修後に感じたことを何となく書いてみます。
研修の目的は「ありたい姿」への変化
研修であれセミナーであれ講座であれ、それをすること自体は目的ではなく手段です。
研修という手段を使って何かしらを学び、身につけ、その結果として
*受講者自身がありたい姿(あるべき姿)に“変わる”こと
が大切な目的といえます。
・・・なんてちょっと偉そうに言っておりますが、実はかく言う私自身
「(自分は)何を伝えたいか?」
「(自分から見て)何が大切か?」
という“自分目線”でやってきたこと少なからずです(汗)
手段の目的化
子育て支援もそうですが、支援となると即座に「ノウハウ」的な部分、つまり方法論に目が行きがちになることも多いと思います。
以前はここもズッポリと泥沼のごとくはまり込んでおりました_| ̄|○
でもやはりノウハウは手段。
それを通して「ほしい結果」が必ずあるものです。
子育て支援の目的は何でしょうか。
それは、いろんな子育ての知識や技術、コミュニケーションのワザという”手段”を使って、支援対象者(おかあさんや子どもたち)と”良い関係”を持つことだと思っています。
良い関係とは、簡単に言えば
*場に安心安全がある
*お互いが自然体でいられる
といったもの。
ということもあって今はノウハウ以前(それ以上)に大切なことがあると思っています。
それは
*「どういったあり方が大切か?」
といった姿勢や態度。
当たり前といえば当たり前なのでしょうが、私は長い間「頭」でしかそれを理解できていなくて、「腑に落ちる」には程遠い状態だったのでした…。
ということで昨日は子育て支援者である受講生の皆さんが支援の現場で
*かかわる相手(特に母親)を肯定的に理解できること
*そこで穏やかに過ごせること(情緒と理性がバランスよく活用できること)
という未来像を想定した研修を提供した次第でした。
あとはおまけで「楽しい時間をもってもらうこと」も。
お陰さまでさほどスベることなくそこそこ笑いゲットできました(*≧∀≦*)
研修の中身≒子育て
受講者の皆さんにお渡しした資料は超あっさりのレジュメ1枚。
(本体は↓です)
お母さん攻略法 2019年11月29日 カウンセリングオフィス トリフォリ 高澤 信也 1.最近の「母親」について 「どんなイメージですか?」「そう思う理由はなんですか?」
2.メガネを変えてみよう ①問題行動の裏にある“肯定的意図”とは ②「なぜ?」ではなく「何のため?」で考えてみる ⚫︎初級編:子どもが話しかけているのにスマホを優先する親 ⚫︎中級編:公共の場で迷惑をかけている子どもを注意しない親 ⚫︎上級編:人がいても構わず子どもを怒鳴ったり叩いたりする親 ⚫︎番外編:乳幼児のわが子を長時間車に放置してパチンコする親
3.「よい関係」育てを妨げるブレーキを緩めよう ①コントローラー vs サポーター ②「それでもやっぱり腹が立つ…」そんな時には :気づく → 受容 → タイムアウト → 理性を強制起動 → 脱力+深呼吸
4.「褒める」でもなく「叱る」でもなく ①第三の選択肢”コンパッション“(慈悲) ②ネガティブを大切にできると支援はぐっと楽になる |
順番としては
①支援対象者に対する“自分側”のネガティブイメージに気づく
②自分の価値観を一旦脇に置いて、相手の問題行動や不適応行動から“肯定的な意図”を探索する
③相手との「良い関係」を妨げる怒りを処理する
④自分の理想とは違う目の前の“不完全な”相手に慈悲を向ける
(人は誰しも不完全ですから)
これ、お気づきでしょうか。
実は子育てするうえでも大切な内容、大切な順番なのでした。
子育て支援をつづける目的
私はアダルトチルドレンの支援をやってきましたが、最近は子育て支援にも力を入れています。
特にAC当事者でありながら子育てする親御さん支援に力を注いでいます。
相談に来られる親御さんのなかには「自分が親からされて傷ついたこと」を自分もわが子にしてしまっている…という方も少なからずいらっしゃいます。
いわゆる「負の連鎖」です。
親への強い怒りや恨みをもつAC当事者の方からすると、そういった親を支援するなんておかしい、なんて思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。
(実際にそれっぽいことを言われたこともあります)
私はこんなふうに考えています。
ACが親に対して強い負の感情を感じるのは、それと同じだけの“求め”があったからではないでしょうか。
ということは、子どもたちをもっとも救えるのは支援者ではなく、他ならぬその子どもの親自身なはずです。
でもその親が今はまだいろんな課題を抱えているために子どもによりよく接することができないわけです。
であれば、そんな親御さんが回復し、子育てを学び、その力を使って子育てをしていくことができるようになることが、その親の子にとってはもっとも幸せなはず。
もちろん毒親と呼ばれるような親御さんのすべてを支援することはできません。
しかし、実際に相談に来られる親御さんたちの多くが
*「子どもにひどいことするのをやめたい!」
*「もっとやさしくかかわってあげたい!」
*「あの子には私と同じ思いをさせたくない!」
という訴えをもってこられます。
少なくともこのような思いを持ってこられた親御さんたちには精いっぱいのサポートをおこない、その結果子育てのありようが変わり、ひいてはそれが最終的には
⭐︎子どもが子どもらしく
⭐︎その子がその子らしく
という幸せな結末をもたらすと強く信じています。
子どもにとっての豊かな未来を願って、これからも子育て支援をつづけていこう!
徒然にそう感じた昨日でした。