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親子関係・家族関係・人間関係の良しあしを左右する自他の間にある見えない境界線

親子関係・家族関係・人間関係の良しあしを左右する自他の間にある見えない境界線

 

ブログ「毒親卒業トレーニング」管理人のカウンセリングオフィス トリフォリ高澤です。

アダルトチャイルド未回復で子育て頑張っているママさん・パパさんの回復&子育ての支援を福岡でおこなっています。

 

突然ですが、バウンダリー(自他境界)という言葉をご存知でしょうか。

私たちの人間関係(もちろん親子関係も)の間には、土地や住居、県境や国境と同じく「境目」が存在しています。

 

しかしそれが目に見えないせいで、気づかないうちにこの境界線を越えたり越えられたりといったことが起こり、それが人間関係におけるトラブルとして認識されるわけです。

 

いろいろなバウンダリー

バウンダリー(境界)にはいろんな種類があります。

・物の境界

・時間の境界

・価値観(思考)の境界

・身体の境界

・感情の境界

・責任の境界

・性の境界

などなど

 

目に見えるものは分かりやすいですね。

たとえば「身体の境界」。

 

突然誰かから叩かれたらどうでしょうか。明かなNG行為であることは一目瞭然だと思います。

それは家族であっても同様です。夫婦間で行われればDVとなり、親子間で行われれば児童虐待(反対なら家庭内暴力)となります。

 

これは他者に所有権があるその人の身体を侵害する行為です。

したがってこれは「身体の境界」を明らかに侵しています。

 

しかしバウンダリーの中にはわかりにくいものもあります。

しかもそういったものに限ってすごく大切だったりするのが厄介です。

 

ではここでちょっとバウンダリーのクイズです。

次の事例はどの境界の問題でしょうか?

 

 

 

分かりにくいバウンダリー①

●心配だからと親が子どもの机のなかや携帯を勝手に覗き見る

 

もしや「これはバウンダリーの問題ではない!」なんて思ってはいないですよね!?

これも明らかにバウンダリーを侵しています。

 

侵したものは「物の境界」です。

 

昔々のことですが、うちに遊びに来た友だちが私がトイレで中座している間に、なんと勝手に私が彼女からもらった手紙を読んでいました。当時は血気盛んな16才。マジギレしてそやつを家からたたき出しました。

 

「友だちならそうでも、親子や夫婦なら別でしょ?」

いえいえ、別ではないのです。たとえ親密関係であっても、人の物を許可なく私有物のごとく扱うことはりっぱに(汗)境界線を侵す行為にほかなりません。

 

それが許される場面は恐らく二つ。

ひとつは本人の許可を得ていること

もうひとつは緊急事態(たとえばわが子の家出、法への抵触行為、自傷他害の危険性など)

 

つづいて次のバウンダリークイズです。

これはもうちょっと難しいのではないかなと思います。

 

 

 

分かりにくいバウンダリー②

●学校に遅刻した息子が「なんで起こしてくれんかったと!とうちゃんのせいで遅刻したやん!先生に怒られたっちゃけんね!」

 

これはいかがでしょうか?

子どもの逆切れあるあるではないかと思います。

 

これはまだ分かりやすいほうだったかもですね。

息子はこのときバウンダリーを侵しています。

 

侵したものは「責任の境界」です。

 

責任の境界を適切に引くときに外してはいけない視点があります。

 

それは

「それをする(しない)ことで困るのは誰か?」

 

息子が朝起きなくても私たち両親は一切困りません。困るのは息子だけです。

したがって朝起きて時間に間に合うように努めるのは息子の責任になります。

 

ちょっとドライすぎる感じがしますか?

自分でもたまにそう感じることありますが、これはわが子の「自立心」を育てる訓練。

心を鬼(汗)にして自分の課題を自分で負えるよう頑張ってもらっています。

 

余談ですが、本来自分が負うべき責任を他者に負ってもらっている状態を「依存」といいます。また、「自分の責任を肩代わりしてもらう人」と「人の責任を肩代わりしてあげる人」が強烈に結びついている状態を「共依存」と呼びます。(典型例は「ダメ男と尽くす女」とか「ひきこもり当事者とその親」など)

 

この「責任の境界」を侵したり侵されたりは頻発しているにもかかわらず、意外と気づかれにくいバウンダリーではないかと思います。

 

 

 

分かりにくいバウンダリー③

最後にもうひとつだけ分かりにくいバウンダリークイズです。

 

●自粛によって外出できずストレスが溜まった子どもたちが家でわちゃわちゃ騒いでいる。その場面でおかあさん子どもたちを一喝!

「あんたたちのせいでおかあさんのイライラが止まらんやん!静かにしー!」

 

いかがでしょうか。

これはそもそも境界線を越えているでしょうか?いないでしょうか?

もしかすると多くの方が「越えていない」と思われるかもしれませんね。

 

しかし正解は「越えている」です。

侵したバウンダリーは「感情の境界」です。

 

そんな昔ではない以前のこと、遊びに出かけた息子が約束の時間に帰ってこなかったことがあります。

冬だから外は真っ暗だし、キッズケータイに電話しても出ないし、探しに行っても見つからないし。

超ド級の心配をしていたらヤツが何食わぬ顔して帰ってきました。

 

事情を聴いた後に父(わたし)一喝!

「心配し過ぎて気持ち悪くなったやん!あんまり心配させんで!!」

 

すると息子曰く

「電話出らんかったのはごめん。でも心配は勝手にとうちゃんがしとるだけやん!だいたいとうちゃんは心配しすぎっちゃん!僕のせいのごと言わんで!」

 

これ、どっちが正解だと思いますか?

・・・非常に残念なお知らせですが、これは息子のほうがしっかり境界線を引けています。

親である私が「感情の境界」を侵していました_| ̄|○

 

 

 

感情のおはなし

ここでちょっとだけ感情についてのお話をさせてください。

怒りであれ、不安であれ、たいていの感情は

【自分の期待】(仏教的に言うと「欲」)

が生み出します。

 

その「期待」と「期待が満たされない現実」の間にギャップができたとき、ネガティブな感情が自分の【内側】にわいてきます。

その感情エネルギーを使って行動を起こすわけです。

 

もちろん行動の目的は

【自分の期待を現実化すること】

です。

 

さっきの私の例をこれに当てはめるとこんな感じになります。

 

◉期待:息子が100%安全であること

ギャップ→●感情:不安→●行動:「不安にするな」

●現実:約束の時間に息子と連絡取れず

 

つまり私は「自分の期待」によって不安をつくりだしたことになります。

したがってこの感情をつくりだしたのは「私自身」であって息子ではなかったわけです。

 

バウンダリーの中でもこの「感情の境界」はけっこう難しいと思います。

特に情緒的な方ほど親密な相手と感情がニコイチになりやすい傾向があるようです。

 

ここに一線引けるようになるには練習あるのみ!というところですかね。

 

 

 

バウンダリーに気づくヒント

人間関係のトラブルのほとんどはこのバウンダリーの問題によって起こります。

 

互いが互いの領域(安全基地)を侵すこともなく、反対に離れすぎることもなく、ほどよい距離で触れ合っていくことができれば、この世界はとても生きやすい場所になるはずです。

 

しかしこのバウンダリーの難しさゆえ、あちこちで関係の衝突やこじれなどが起こっています。戦争なんてその最たるものではないかと思います。

 

「じゃあ目に見えないバウンダリーにどうやって気づけばいい?」

 

気づけるようになるにはいろんな練習の仕方がありますが、今日はシンプルなものを2つだけご紹介します。

ひとつめは「自分がバウンダリーを侵されたとき」のための非常にシンプルな方法です。

 

それは

人と接しているときの「身体の反応」に気づく

 

ある人のことを頭では「悪い人ではない」「いい人」、、、なんて思いつつ、近づいてこられると胸のあたりに圧を感じるとか、うっすら嫌悪感みたいなものを感じる、なんてことはないでしょうか?

 

その嫌な感じがした所こそが、その瞬間、その相手と自分との間にある境界線を描くべきポイントです。

 

つまり、バウンダリーに気づくには

身体の反応に気づくこと

ができれば良いわけです。

 

しかしこれを「思考」が邪魔します。

・「距離を取ると冷たい人間と思われるかも」

・「周りもあの人冷たいって思うかも」

・「このモヤモヤはただの気のせい。あの人いい人だもん!」

みたいに。

 

イライラとかモヤモヤとかを感じたとき、思考で推測や解釈(いわゆる頭の中の独り言)をし始めると、自分の身体の反応、つまり「ホンネ」が分からなくなってしまいます。

 

バウンダリーは頭ではなく、自分の身体の内側と外側の反応に気づくことによって適切に描けるようになっていくものです。

 

最後にもうひとつの練習法。

これは「自分が相手のバウンダリーに侵入したとき」に気づくための練習ですが、これはさっきのと比べてかなり難しくなります。

 

なぜなら、私たちはバウンダリーを「人から侵された(越えられた)」ことは気づきやすくても、「自分が侵した(越えた)」ことに自分ではほとんど気づくことができないからです。

 

とくに「良かれと思って」「善意」「相手のため」なんて信じていれば、いとも簡単に他者のバウンダリーに侵入してしまいます。

 

この「越境する自分」を緩めるために私はかつてこんなことに取り組んでいました。

 

①感情的に駆り立てられている状態に陥っている自分に気づく

(そのためには前述の練習同様、自分の身体反応に気づく練習が役立ちます)

②その状態に気づいたら状況がどうであっても即座にその場を離れる

(過剰覚醒した神経を鎮めるためです)

③気持ちが落ち着いた後に自分の過剰反応パターンを分析する

(理性を使える状態になって初めて内省が可能になります)

④信頼できる人に「その状態」になったら教えてと予めお願いしておく

(自力で侵入を止められない時の緊急ブレーキの役目です)

 

こういったものであれば支援機関を使わなくてもセルフで練習できるのではないかと思います。

 

但し注意点。

身体反応を観察することによって強度の不安や恥といった反応が出てくる人もいます。そういった方は第三者の手をかりることをお勧めします。

 

ここまでいろいろとお伝えしてきましたが、とにもかくにもバウンダリーを適切に描けるようになるための必須要件をひとつだけ上げるとしたら、しつこいようですが

身体の反応に気づくことができるようになること

 

そのためには練習!練習!また練習!が大事です。

やればやるほど身につきます。なにせスキルですから。

 

自分の身体に気づく力が増すほどに自分のホンネに気づけるようになります。

ホンネに気づけるようになるほど自分を満たすことができるようにもなります。

その先でほどよいバウンダリーを描いていけば、人間関係における苦しみは質も量も軽くなっていきますよ。

 

親子間も「自分」と「他者」による人間関係です。

どうかほどよいバウンダリーでほどよい子育てを!

 


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